ブログの更新が半年以上滞ったが
相変わらず、節酒は続いている。
基本的には飲まない、と決めても完全断酒はできない。
通算1か月に1回、または0.5回という計算。
しかもワインをグラス2.5杯で酔ってしまうので飲めない。
適量でやめられる。
酔うのは嫌いだ。
飲み会では私一人ノンアル。
「嘉殿さんは飲めないひとなんだ」が定着。
上記の友人は私がお酒をやめてから知り合った、そんなに深い付き合いではない女性たち。
まだすごく仲良くなってはいない。
だから私がプレアルコホリックだったことは知らない。
大酒飲みグループの友達とはかなり長い間食事をしていない。
もう消息が途絶えたひとも多い。
わたしは友人の80%を失った。
そのことと、ワインという親友を失った寂しさと悲しみが時々私を襲う。
これってまさに私が知りたかったことだと思える本に出会った。
「
高機能アルコール依存症を理解する」
この本に断酒を始めた2014年に出会えていたらどんなに楽になっていただろう。
まだ完読していないが、すべてのページに付箋を貼りたいし
赤ペンの下線で本が真っ赤になりそうだ。
あまり書くとネタバレになるので控えるが
「高機能アルコール依存症」とは
仕事や勉学に励んでいて、高い地位や専門職に就いている場合もあり
外見上問題はなくいわゆるステレオタイプのア依存症ではない、
でもしっかりアルコール依存症、という人のこと。
私は高い地位ではないが、これまでの日記(特に半年断酒初期のころ)に
「飲んでいたが家事や仕事はしっかりできていた」
「酔って家事や仕事に穴をあけたことはない、むしろ飲んでいた時の方ができていた」
と何度も書いた。
「――― もし自分が社会で機能して仕事をやりとげることができるなら、飲むことを恐れる理由など何もない。それは生活の一部であり見返りの一つだ」(ピート・ハミル『ドリンキング・ライフ』)
自分のことを「高機能」プレ依存症と呼ぶのはちょっと違和感はあるが、
やるべきことはできていて周りもだれも私がア依存だなどと思ってはいなかったという点で
この本で指摘されていることと重なる部分がかなりあった。
そして、私の周りのステキな大酒のみの女性たち
かなりの人は「高機能アルコール依存症」だ。決まり。
さて、この本は筆者であるもと高機能アルコール依存症の米国人女性が
自分がア依存になる過程、そして回復する現在までを様々な検証と研究etc.とともに書いている。
前述のとおり前半は「これは私のための本だ!」といたく感動した。
しかし、後半、回復の章は断酒をするために宗教やスピリチュアリティがどれだけ大切かということに
多くのページが割かれている印象だった。
結局「神」「ハイヤーパワー」にすべてをゆだねて断酒したのか。この高機能な人も。
AAの12ステップに基づいて筆者は回復していく。
「神」とか「ハイヤーパワー」など、スピリチュアルなものにすべてをゆだねて断酒をしようと思っていない私には
正直合わないなぁと思った。
「(とある研究所の)調査では、友達が誰も礼拝に出席していない子供は、ほとんどの友達が礼拝に出席しているという子供に比べて4倍もアルコールや薬物使用のリスクが高くなっている――――」など
ちょっと日本の事情にそぐわない話も多かった。
日本ではキリスト教的な土壌がないので、
いえキリスト教どころか宗教を信仰している人の割合がさほど多くないので
AAの言う「神」や「ハイヤーパワー」はこの国ではどうなんだろう。
宗教やスピリチュアルの素養がない人が
これらの言葉やAAの祈りに違和感を覚えるなら
「神」ではなく「自分を超えた大きな力(ステップ2)」など
何か限定はしなくても畏敬の念をもつ大きな力
と考えると良いのかもしれないと思った。
いや、むしろ私は自分の中にキリスト教的な土壌があるのだ。
母親がキリスト教徒で幼稚園から中学まで頻繁に教会へ行き
寝る前には祈りを唱えていた。
洗礼こそ受けなかったが、聖書の勉強やロザリオで100回祈りを唱えたこともあった。
そんなんでも「ワイン死ぬほど美味しいから」と飲みすぎれば
プレ・アルコホリックになるのよねぇ~(^_^;)
そして今の「月0.5回節酒状態」になるために「神」は特に必要はなかった。
(この本によると、幼年期に宗教を強要された人は
オトナになってからそういうものを信じるのに抵抗がある、らしい^^;.)
私もお酒を減らすにあたって
スピリチュアルな経験もしたのでそれを全否定するつもりはない。
AAも2回しか出たことがないのでわかったようなことは言えない。
その上で。
回復にあたっては神やハイヤーパワーにゆだねる人もいるしいない人もいる。
それで回復する人もいるししない人もいる。
話が少しそれたが
「わたしは大量に飲むけど仕事も家事もしっかりやっていて誰からも文句を言われることはない」
「わたしは大量に飲むけど専門職で年収も高い。だからア依存ではない」
という人たちは是非この本を読むことをお勧めする。
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