今日の日はさようなら。また飲む日まで。

わたしはワインが好きで、しかし長年飲み方を間違えたために一度断酒し

合法的に（医者の許可のもとに）再開した。

月２回のみ楽しくワインを飲むと決めてから

２年と８か月が経っていた。

楽しいこと、嬉しいこと、苦しいこと、激しい怒りを感じたこと

いろいろあったが結局

「身体が受け付けなくなってもう飲めない」

から飲むのを止めることになった。止めることにした。


こんなオチで飲めなくなってしまうとは想像もつかなかった。

またワインをたくさん飲んで元の飲酒パターンに戻ってしまうかも、という想像は少しした。

しかし、身体が弱くてなんて、こんなオチで止めることになるとはと愕然とすること２週間。

なんだこれじゃ節酒に失敗したア依存症者と変わらないじゃないか

ちゃんと月２回を守ってずっと楽しく愛するものを飲むんじゃなかったのかと

自分を罵倒し馬鹿にして責め続けること１週間ほど。


そのあと、あらためてこれまで書いた日記、特に最近の日記を読み返す機会があった。

「もうこの状態じゃこの人また酷い最悪の酔いに見舞われる。

数時間、数日苦しむ。醜態さらす。

この人飲めない、もう。

身体がアルコールダメになってる、飲まないほうがいい」

と思った。


この日記を書いてきて本当によかったと思った。

喉元過ぎれば熱さを忘れるとは良く言ったもの。

ワインは美味しいということは覚えているが

悪いことはあまり覚えていない。恋愛に溺れているのと一緒。

美しい思い出は覚えている。都合の悪いことは見えない。覚えていない。

グラス５杯ほど飲んで酷い酔いの寸前まで何度も行って

じきに３杯ほどでもかなり酔ってくるようになっている。

しまいには水をがぶがぶ飲みながら適量飲んでもすごい酔いになって

その後数日体調が悪化する。

そうしたことはあまり覚えていない。思い出さない。


しばらくワイン飲みたくない。情けなくても失敗、敗北したとしてもそれが素直な気持ち。

前述した憂鬱な気分は常にあるけど前とちがって涙も出ない。



もしも、万が一、とんでもない奇跡が起きて

全てのア依存症、プレ依存症の人がまた普通に飲めるような薬ができたら

そんな奇跡的な治療が確立されたら

そしてわたしが飲んでもひどい酔いにならず

普通に生活できる医療や薬が開発されたら（飲んだ直後も翌日も翌々日も）

その時に愛するワインを飲む。



今日の日はさようなら。

また飲む日まで。