憂鬱になるのも仕方ないだろうと

一応前回の続きです。

やはり1か月以上ワインを飲んでいないが自然に断酒ができた。

私の場合はワインを飲むと激しく体調が悪くなるので飲みたいと思わないのだ。

飲んだ翌日、翌々日、悪ければその次の日も、身体をこわして動けなくて良い日など1日もないからだ。

月2回飲酒をしていた時にしばしば起こる憤りと苦しみは消えた。それは楽といえば楽なのだろう。



新たな段階だ。



ワインのことを考える時間が減り

憤りや渇望が消えた代わりに

原因不明の憂鬱な気分が

通奏低音のように毎日心のなかで流れ始めたのだ。



はっきり書いておく。

ワインは全く悪くない。飲酒（正常に）する人も悪くない。



さて前回書いたように、私は身体がもうアルコールを消化・処理できない。

私はもともとアルコールに強くない体質で、十数年にわたってけっこうたくさん飲むことによって

耐性が形成されて飲めるようになっていただけだ。

それが今飲めなくなって、本来の体質に戻っただけだと人（アルコール専門医、内科医、スピリチュアリスト、ナチュラリスト、飲まない普通の人）は言う。

それを受け入れてこの先死ぬまで生きていかなければならないのだ。


飲むときにグラスワイン1杯でやめておけば

もしかしたらちゃんと付き合えて身体も壊さないのかもしれない。

しかしそれができない。ワインを愛しすぎているから。

できていたらこんな日記を書くことも憤ることもない。


とにかくいまは飲めないし、信じられないことに飲みたいと思わない。



ここから下はとても不謹慎な話。

もしも好きな人（肉親・近親者ほど近い人ではない人）、ファンになっているミュージシャンなど

かなりすきな人を失った喪失体験の過程ってこんな感じなのだろうかとも思った。

こんなものではないと怒られるのを承知で書くけれど。

でもワインのことが喪失体験なら

憂鬱になるのも仕方がないだろう。

まして年齢も更年期、そして季節は夏なのである。


この世の飲食物で最も愛するものとある日突然相性が悪くなり

ちょっと会わなくなって半年後、うまく付き合おうとしたけれどもやはり上手くいかなくて

その原因が外部でなく自分の身体という、切り離したくても絶対切り離せない内部にあるので

そういう弱い身体がいやで嫌でどうしようもない。


ただ、月二回飲んでいた時のような苦しみは減っているので

憂鬱な気分に見舞われながらも

あきらかに螺旋階段をゆっくりゆっくり降りている（正常な状態のほうに降りている）。